久しぶりに重い内容の本を読んでしまった…（ため息出ちゃう）。
ストーリーは、冴木洋子という少女が、ＣＭでデビューしてから
歌手やバラエティーやドラマで人気絶頂のアイドルになり、
最後は若くして自殺してしまう壮絶な物語です。

…って、結末を言ってしまっては、これから読む人には面白くないじゃ
ないか〜、と殴られそうですが、おそらく最初の数ページを読めば
そういう展開になるであろうことは想像がついてしまうため、
敢えて書いてしまいました。

今更ですが、ＴＶに出ている人は、周りが都合のいいように
イメージを作り上げ、本人が思っていることとは遠くかけ離れた
人物像が勝手に歩いていってしまうもの。

フツーの会社員でも、自分の知らないところで、「○○さんて、
こういう人なのよね」と勝手に言われているかもしれないわけで、
ましてやアイドルなら、真実の姿と、周りが思っているイメージとでは、
どれほど違うものになってしまうか計り知れない。

例えば、ワイドショーなどで報道されれば、一般人は信じてしまうかも
しれないけれど、ホントの事実は本人しかわからないこと。
勿論、そういうマスコミを利用して、名前を売って上手くやっていく人も
いれば、やりきれなくなる人もいる。

イメージも、自分が納得するような内容で広まればいいけれど、
そうでなかったら悲劇…。

この小説は、アイドル本人が思っていること、周囲が思っていること
の２つの角度から語ることで、その人生が浮き彫りになってきます。
よくタレントにありがちな、あんなに可愛かった人が、なぜこれほど
やつれた人になってしまうの？…という疑問が、すごくわかる感じです。
あくまで小説ですが、この小説のアイドルに、実際のタレントを
当てはめてみると、いろんな人が当てはまってしまう気がします。

とにかく、自分の思ったことを主張すればするほど、すべてが周りと
噛み合わず、アイドルの行き場のない思いが、とても重苦しいです。

あとは、芸能界の裏事情が垣間見れる内容です。そう、モロモロが。
事実は小説より奇なり…って言うからな（ボソッ）。

この小説は恐いです。しばらくＴＶが見られなくなってしまいました。
以上、本の感想はここまで。

−−−−−
余談です。芸能人の整形手術は当たり前、とよく言うけど、
この小説にも、やっぱりそういうクダリがあって、固まってしまいました。

「機会があれば全部さし歯にしちゃっても…」だの、
「奥歯を１本抜いて頬を痩せさせる…」だの、
「整形手術で目を二重にして頬の骨を削り鼻にシリコン…」だの。

原宿の生写真ショップに行って、昔の写真と今の写真を比べると、
確かに顔が違っている人がいたりするのは事実ですけど（泣）。
う〜ん、美容整形ってのは、そんなに当たり前の感覚として
受け止めてしまっていいものなんですか〜？
はぁ〜、いろいろ考えてしまいました。

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