今や街を歩いていると、携帯電話で話している人を必ずと言って
いいほど見かける。わしも一昨年購入し、重宝している一人だけど、
携帯を初めて持った時、まず思ったことは、

これで待合せでモメて別れるカップルもちょっとは減る…？！

携帯がない頃、待合せに遅れる時は、お互い留守電に伝言したり、
それを確認したり、連絡をとるために、あれやこれや方法を
考えたものです。

ちなみに今は、待合せと、通勤タイムでの電車事故が、
携帯持っててよかった〜、と思う時だったりします。

しっかし、５〜６年前までは、持っている人が珍しい状態だった。
さて、その頃Ｒ子から聞いた話である。

−−−−−−−

都内のオフィス街にある某コーヒーショップは、夕方になると閑散と
してくるが、その日店に行くと、客は自分と、他に女性が1人いるだけだった。

既に30分ほど時間を費やした頃、あまりに待ち人が来ないので、
「ばかもの〜ッ」と心で叫んでいると、もう一人の女性がツカツカと店内の
電話に駈け寄り、一言二言話すと、荷物をまとめて帰っていった。

あぁ、可哀相〜。待合せの人が来ないんだ…。

とうとうポツリ残されて、待ち人来ず状態を寂しく思っていると、
「あのう、今ここで電話をかけてた女性はどこに行きましたか？」

勢いよく男の人が駆け込んできた。店員が
「その人なら、たった今出て行きましたよ」
「そうですか…」

あら、なんてこと。ほんの２分違いなのに…。まるでＴＶドラマみたい。
本人たちにとっては、「遅れてしまった、どうしよう…」「待ってんのに
来ないなんてちょっと！」と、お互い必死だろうね…。

今時、ＴＶを見ながら、よく同じような場面で、こんなことあるわけないよ…、
と思うのが当たり前に思っていたけれど、結構身近にあるものなんだ…。

「そろそろ閉店なんですが…」
とうとう閉店の20時になってしまった。仕方がないから帰らなくちゃ。
…と思った時、
「お電話が入っています」

待ち人からの電話だった。
私も方もドラマじゃないの！

−−−−−−−

というわけでＲ子は、店に連絡が入ったことが予想外のことだったので、
結構感激したという。もちろん相手は彼じゃ。

いい話じゃないかぁ〜。
店で会うことが出来なかったカップルは、その後どーなったかはともかく、
待ったり、待たせたりすることは、その時間はお互いのことを考えている
わけだから、とっても貴重なことのようにも思います。

今は誰もが携帯を持っているから、待合せたのに会えなくて、ぶちぶち
悩むこともなくなったかもしれない。ケンカも減るかもしれない。
でも、待合せでロマン（？）が発生する状況が少なくなったみたいで、
ちょっと残念だったりして〜。

どこかに携帯にまつわる、ええ話はないかのぅ？

前のページに戻る